香典袋の書き方完全ガイド|中袋・表書き・名前の書き方まで
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[掲載日]2025/10/06 10 -
[掲載日]2025/10/06 10 -

葬儀に参列するときに必ず用意する「香典袋」。
しかし、「表書きには何と書けばいいの?」「中袋の書き方は?」「薄墨って本当に必要?」など、いざ準備しようとすると迷うことが多いものです。
この記事では、香典袋の正しい書き方とマナーを、宗派別の違いや金額の目安まで含めて詳しく解説します。
香典とは?意味と目的
香典とは、本来「香を供える」ことに由来し、故人の霊前に供える金品のことです。
葬儀に参列する際に、遺族へのお悔やみと弔意の気持ちを表すために渡すものです。
香典は、遺族が葬儀費用の一部を補う意味合いもあり、「悲しみを共にする気持ち」を形にした大切な慣習です。
香典袋の種類と選び方

水引の種類
香典袋の表面には「水引(みずひき)」と呼ばれる飾り紐がついており、結び方によって意味が異なります。
水引の種類 | 意味 | 使用シーン |
---|---|---|
黒白・銀白の結び切り | 一度きりでよい悲しみ | 一般的な仏式葬儀 |
黄白の結び切り | 関西地方で多い | 仏式・神式 |
双銀・銀一色 | 格式高い葬儀向け | 公的・企業関係 |
蓮の花の印刷入り | 仏式専用 | 神式・キリスト教では避ける |
宗派ごとの表書き(上書き)
宗派 | 表書きの例 |
---|---|
仏教(浄土宗・曹洞宗など) | 御香典・御霊前(四十九日前)・御仏前(四十九日以降) |
神道 | 御玉串料・御霊前・御榊料 |
キリスト教 | 御花料・献花料 |
宗派不明 | 御霊前(どの宗派でも使える) |
※迷った場合は「御霊前」で問題ありません。
表書き(外袋)の書き方
- 上段(中央):表書き(例:御香典・御霊前など)
- 下段(中央):自分の名前(フルネーム)
- 個人の場合はフルネームを中央に書く
- 夫婦連名の場合は右側に夫、左に妻
- 会社名・部署連名の場合は「○○株式会社 有志一同」など
【筆記の基本】
- 薄墨を使用する(悲しみの涙で墨がにじんだという意味)
- 文字は楷書で丁寧に書く
中袋(中包み)の書き方
中袋には「金額」「住所」「氏名」を記入します。
書く位置
- 表面:金額(例:「金壱萬円」など)
- 裏面:住所・氏名
【金額の書き方(旧字体の漢数字を使用)】
数字 | 表記例 |
---|---|
1 | 壱 |
2 | 弐 |
3 | 参 |
5 | 伍 |
10 | 拾 |
100 | 佰 |
1,000 | 仟 |
10,000 | 萬 |
例:「金壱萬円」
香典の金額相場
関係性 | 一般的な相場 |
---|---|
両親 | 3万〜10万円 |
兄弟姉妹 | 1万〜5万円 |
祖父母 | 1万〜3万円 |
叔父・叔母 | 5千〜1万円 |
友人・知人 | 3千〜1万円 |
会社関係 | 3千〜5千円 |
※地域や年齢によっても差があります。
香典を渡すタイミングとマナー
- 通夜・告別式の受付で渡す
→ 袱紗から出して両手で差し出す。 - 香典袋の向きに注意
→ 表書きが相手に向くように渡す。 - 不在の場合は郵送も可
→ 現金書留封筒を使用し、弔意の手紙を添えると丁寧。
袱紗(ふくさ)の使い方
香典袋はそのまま持たず、袱紗に包んで持参するのが正式です。
- 色:紫・紺・グレーなど落ち着いた色
- 包み方:右開きが弔事用(慶事は左開き)
【使い方の手順】
- 香典袋を袱紗の中央に置く
- 左→上→下→右の順に折りたたむ
- 渡す直前に袱紗から取り出し、両手で差し出す
宗派別に見る香典マナーの違い
- 仏教式:焼香時に香典を受付に渡す
- 神道式:焼香の代わりに玉串奉奠、香典は「御玉串料」
- キリスト教式:献花時に渡すことが多く、香典は「御花料」
香典でやってはいけないNGマナー

- 新札を使う(不幸を予期していたように見える)
- 香典袋にシールを貼る
- ペンやボールペンで書く
- カラフルな袱紗を使う
- 名前を書き忘れる
どれも無意識でやってしまいがちなので注意が必要です。
まとめ|香典袋は「心を込めて丁寧に」が基本
香典袋の書き方に正解は一つではありませんが、共通して大切なのは「故人と遺族への敬意を込めること」です。
- 表書きは宗派に合わせて正しく書く
- 中袋には金額と住所を丁寧に記入
- 薄墨で静かな気持ちを表す
心を込めて用意すれば、その気持ちは必ず遺族にも伝わります。