法要の返礼品(引き出物)の選び方と相場
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[掲載日]2025/10/10 25 -
[掲載日]2025/10/10 25 -

法要や法事に参列してくれた方々へ感謝の気持ちを伝えるために渡すのが「返礼品(引き出物)」です。
香典返しと混同されやすいこの返礼品には、実は時期・品物・金額などに細やかなマナーが存在します。
この記事では、法要の返礼品を準備する際に知っておきたい基本ルール、相場、人気品目、渡し方の注意点までを詳しく解説します。
法要の返礼品とは?

法要の返礼品とは、法要や法事に参列してくれた人へのお礼として渡す品物のことです。
「お香典をいただいたお礼」や「出席してくれた感謝」を形にした贈り物であり、香典返しを兼ねることも多くあります。
- 四十九日法要以降:香典返しを兼ねて渡すケースが多い
- 一周忌・三回忌など:参列者への引き出物として渡すのが一般的
返礼品と香典返しの違い
項目 | 返礼品(引き出物) | 香典返し |
---|---|---|
渡す対象 | 法要・法事に出席した方 | 香典をいただいたすべての方 |
タイミング | 法要当日 | 後日(四十九日以降)郵送も可 |
内容 | 食品や日用品など | 定番ギフト(お茶・お菓子・カタログギフトなど) |
名目 | 「御礼」「志」「粗供養」など | 「志」「満中陰志」など |
同じように見えても、法要当日に「出席のお礼」として渡すものが返礼品、
法要後に「香典へのお礼」として送るものが香典返しです。
法要返礼品の相場
法要の種類 | 返礼品の相場(1人あたり) |
---|---|
四十九日法要 | 3,000円〜5,000円程度(香典返しを兼ねる場合) |
一周忌・三回忌 | 2,000円〜3,000円程度 |
七回忌以降 | 1,000円〜2,000円程度 |
初盆・お彼岸など | 1,000円〜2,000円程度(簡易ギフト) |
※香典返しを兼ねる場合は「香典の半額(1/2返し)」が基本。
返礼品に添える表書き(のし・掛け紙)
項目 | 記載内容 | 水引の種類 |
---|---|---|
表書き(上段) | 「志」「粗供養」「満中陰志」「偲び草」など | 黒白または双銀の結び切り |
名前(下段) | 喪主または家族名を記入 | 個人の場合は「○○家」でも可 |
地域によって「志」か「満中陰志」を使い分けます。
例:関東=志、関西=満中陰志が一般的。
人気の返礼品ランキング(定番)
カテゴリ | 主な内容 | 特徴 |
---|---|---|
食品系ギフト | お茶・お菓子・海苔・コーヒー・調味料 | 世代を問わず喜ばれやすい。日持ちも良い。 |
日用品ギフト | タオル・洗剤・石鹸・入浴剤 | 実用的で無難。小分けもしやすい。 |
カタログギフト | 選べるギフト形式 | 香典返しとの兼用で人気。金額調整がしやすい。 |
嗜好品ギフト | コーヒー・紅茶・ジャム・和菓子 | おしゃれな印象を与える。 |
地域特産品 | 地元の名産・銘菓 | 故人ゆかりの土地を偲ぶ意味合いも。 |
返礼品を選ぶ際のポイント
- 日持ちするものを選ぶ
→ 生鮮食品や冷蔵品は避け、常温保存できる品を。 - 軽くて持ち帰りやすいもの
→ 法要後に持ち帰るため、重すぎるものは避ける。 - 包装・のし紙の体裁を整える
→ 企業ロゴ入り包装紙は避け、弔事用の地味な包装を。 - 家族構成に配慮する
→ 個人向けではなく、家庭で使える量や内容を意識。 - 香典返しを兼ねるかどうかを決める
→ 当日返し(その場で渡す)か、後日郵送かを明確に。
返礼品を渡すタイミング
タイミング | 対応方法 | 備考 |
---|---|---|
法要会食(お斎)の終了後 | 会場出口で手渡し | 「本日はお越しいただきありがとうございました」と一言添える |
法要欠席の方(香典のみ) | 後日郵送 | 香典返しと同じ扱いで送る |
親族・近しい関係者 | 会食中や挨拶時に直接渡しても可 | のしを外向きにして手渡す |
返礼品に添える挨拶文(例文)
本日はお忙しい中、○○の法要にお越しいただき誠にありがとうございました。
皆さまのおかげをもちまして、無事に法要を終えることができました。
心ばかりの品ですが、感謝の気持ちとしてお納めください。
香典返しと兼ねる場合の注意点
- 香典金額に合わせて返礼品を調整する
- 名簿を作り、金額別に管理するとスムーズ
- 当日返し+後日返しを併用する場合もある
【例】
当日:全員に共通の2,000円程度の引き出物
後日:高額香典をいただいた方に別途香典返しを郵送
宗派別・地域別の表書き違い(参考)
地域 | 主な表書き | 備考 |
---|---|---|
関東 | 志 | 最も一般的 |
関西 | 満中陰志 | 四十九日明けの返礼に使用 |
九州 | 粗供養 | 法要全般で使用される |
北海道・東北 | 志・偲び草 | 柔らかい印象の表現が好まれる |
法要返礼品の準備スケジュール
時期 | やること |
---|---|
法要の3〜4週間前 | 出席者の人数を確認・引き出物の発注 |
1〜2週間前 | のし・包装の内容を確認 |
法要当日 | 会場に搬入・受付または退出時に配布 |
法要後 | 香典返しの郵送準備(必要に応じて) |
まとめ|返礼品は“感謝を伝える最後の供養”

法要の返礼品は、形式的な贈り物ではなく「参列者への心からの感謝」を形にしたものです。
- 金額相場は法要の規模に応じて3,000円前後が目安
- 実用的・日持ちする・軽いものを選ぶ
- 「志」「満中陰志」などの表書きを正しく使う
- 感謝の言葉を添えて丁寧に手渡す
心を込めた返礼品の準備は、故人への供養と同じく「思いやり」の表れ。
見栄えよりも“心が伝わる選び方”を大切にしましょう。