仏壇・位牌の準備と選び方|購入のタイミングはいつ?
[掲載日]2025/10/09 17 -

葬儀を終えたあと、多くの方が悩むのが「仏壇と位牌の準備」。
どんな種類を選べばいいのか、いつ購入すべきなのか、宗派による違いがあるのかなど、分からないことが多いのが実情です。
この記事では、仏壇と位牌の意味、購入・準備のタイミング、選び方のポイント、注意点までを分かりやすく解説します。
仏壇・位牌とは?

仏壇とは
仏壇は、仏様やご先祖様を供養するための礼拝の場です。
家庭の中の小さなお寺ともいわれ、日々の祈りや供養を行う中心となる場所です。
中には本尊(仏像や掛け軸)を安置し、位牌やお供えを並べます。
葬儀後の「ご供養の拠点」として、四十九日法要以降に設置するのが一般的です。
位牌とは
位牌は、故人の霊を象徴する木製の札で、戒名・法名・俗名・没年月日などが記されています。
葬儀で使用する白木位牌(仮位牌)に代わり、四十九日までに「本位牌(ほんいはい)」を用意します。
仏壇・位牌を準備するタイミング
項目 | 購入・準備の時期 | 理由 |
---|---|---|
仏壇 | 四十九日法要までに | 忌明けと同時に本位牌を安置するため |
位牌 | 四十九日法要に合わせて | 仮位牌から本位牌に魂入れ(開眼供養)を行う |
仏具・お供え用品 | 仏壇設置と同時 | ろうそく立て・香炉・花立てなどを揃える |
多くの家庭では「四十九日法要=仏壇・位牌のお披露目」となるため、
法要の2〜3週間前には発注・準備を進めておくのが理想です。
仏壇の種類と特徴
仏壇は、宗派・設置場所・デザインによって多様な種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
金仏壇(きんぶつだん) | 漆塗りに金箔仕上げ。浄土真宗で多く用いられる。 |
唐木仏壇(からきぶつだん) | 黒檀・紫檀などの木目を生かした伝統的仏壇。 |
モダン仏壇(家具調) | インテリアになじむデザイン。都市部で人気。 |
上置き仏壇 | 棚や台に置く小型タイプ。マンション向け。 |
地袋仏壇・台付き仏壇 | 床置き型。収納一体型も多い。 |
【ポイント】
- 宗派によって本尊や仏具の配置が異なる
- 居住スペースに合ったサイズを選ぶ
- 光沢・材質・扉構造もチェック
仏壇選びのポイント
- 安置する場所を決める
- 東向き・南向きが良いとされる(仏教の教えによる)
- 直射日光・エアコンの風が当たらない場所を選ぶ
- 宗派に合わせる
- 浄土真宗 → 金仏壇
- 曹洞宗・臨済宗 → 唐木仏壇
- 宗派不問でも「本尊(掛け軸や仏像)」の種類に注意
- 仏具を一式揃える
- 三具足(花立・香炉・燭台)
- 高杯(供物台)、りん(お鈴)、経机(経典を置く机)など
- 将来の管理を考慮
- 小型・軽量タイプは引越しや継承がしやすい
- 永代供養や納骨堂利用予定の方は「簡易仏壇」も選択肢
位牌の種類と選び方
種類 | 特徴 |
---|---|
本位牌 | 四十九日までに作成。黒塗り・金箔入りが一般的。 |
繰出位牌(くりだしいはい) | 先祖代々の位牌を一つにまとめるタイプ。 |
回出位牌(かいだしいはい) | 札を入れ替えられる構造。複数の戒名を管理。 |
過去帳(かこちょう) | 位牌の代わりに使用する帳面形式(浄土真宗に多い)。 |
位牌には、表に戒名(法名)、裏に没年月日・俗名・享年を記します。
文字入れには7〜10日かかるため、早めの注文が必要です。
位牌の寸法(サイズ)目安
サイズ(位牌本体) | 高さ | 適した仏壇サイズ |
---|---|---|
3.5寸 | 約17cm | 小型仏壇 |
4.5寸 | 約22cm | 標準仏壇 |
5.5寸 | 約25cm | 中型仏壇 |
6.0寸以上 | 約30cm〜 | 大型仏壇 |
仏壇・位牌の購入費用の目安
項目 | 費用相場 |
---|---|
仏壇 | 10万円〜50万円(モダン型)/30万円〜100万円(伝統型) |
仏具一式 | 3万円〜10万円 |
本位牌 | 2万円〜5万円(戒名彫り込み含む) |
開眼供養(魂入れ) | お布施1〜3万円程度 |
※家族葬など簡素な形式が増える中でも、仏壇と位牌は「心の拠り所」として欠かせません。
仏壇・位牌を購入するときの注意点

- ネット購入時は宗派対応を必ず確認
→ 本尊・仏具配置が宗派ごとに異なる。 - 設置前に清掃・お清めを行う
→ 塩や清酒で軽くお清めする地域も。 - 魂入れ(開眼供養)は僧侶に依頼する
→ 仏壇・位牌が「ただの物」から「礼拝対象」に変わる儀式。
開眼供養(魂入れ)の流れ
- 僧侶を自宅に招き、読経を依頼
- 仏壇・位牌の前で焼香・合掌
- 故人の霊を迎え入れる(開眼)
- 閉式後に僧侶へお布施を渡す
所要時間は30〜40分ほどで、家族中心に静かに行われます。
仏壇・位牌の手入れと管理
- 柔らかい布で週に1〜2回、ほこりを払う
- 金箔部分は乾拭きのみ(水拭き厳禁)
- 線香・ろうそくの火の取り扱いに注意
- 年忌法要やお盆前に仏具の点検を
仏壇を置く場所の風水・方角は?
一般的には「南向き」または「東向き」が吉とされています。
これは「仏の教えが南や東から来る」という仏教的由来によるもので、風水的にも良い方角とされます。
ただし、最も大切なのは「家族が自然と手を合わせやすい場所」に置くことです。
まとめ|仏壇と位牌は“祈りの中心”であり“心の継承”
- 仏壇と位牌は、故人を日々偲ぶための「心の拠り所」
- 準備のタイミングは四十九日法要の前が理想
- 宗派・住まい・将来の継承を考えて選ぶ
- 開眼供養を忘れず、丁寧に迎え入れる
形式よりも、家族が自然に手を合わせられる「心を込めた空間づくり」が何より大切です。