供花のマナーと選び方|法要・葬儀にふさわしい花とは
この記事は約 4 分で読めます
[掲載日]2025/10/10 12 -
[掲載日]2025/10/10 12 -

葬儀や法要に欠かせない「供花(きょうか)」。
花は故人を偲び、遺族の悲しみに寄り添う大切な贈り物ですが、
その色・種類・贈るタイミングには細やかなマナーが求められます。
この記事では、供花の基本的な意味から、選び方、宗派別の違い、避けるべき花、送る際の注意点までを詳しく解説します。
供花(きょうか)とは?
供花とは、故人やご先祖様の霊前に供える花のことです。
葬儀・法要・命日などの場で供えられ、故人への追悼と感謝の気持ちを表します。
花は「無常」「清らかさ」「命の循環」を象徴し、
宗派や形式を問わず広く用いられています。
供花を贈る目的と意味
- 故人の冥福を祈る
- 遺族への弔意・慰めの気持ちを伝える
- 会場を華やかにし、穏やかな雰囲気をつくる
供花は「悲しみの中にも安らぎを添える贈り物」として、弔意の表現方法のひとつです。
供花の種類(スタイル)
形式 | 特徴 |
---|---|
生花スタンド(葬儀用) | 背の高い二段・一段式の供花。式場前や祭壇脇に設置される。 |
籠花(かごばな) | 法要や自宅用に適したコンパクトタイプ。花束やアレンジ形式も。 |
仏花(ぶっか) | 仏壇にお供えする日常用の供花。対(つい)で用意する。 |
献花(けんか) | 式中に1人ずつ供える花。カーネーション・菊など一輪で。 |
葬儀にふさわしい花の種類
花の種類 | 意味・特徴 |
---|---|
菊(白・黄) | 仏花の代表格。清らかさと長寿の象徴。 |
ユリ | 優雅で上品。香りが強く、弔事に多く使われる。 |
カーネーション(白・ピンク) | 柔らかな印象で、女性や若い方の葬儀に。 |
トルコキキョウ | 長持ちしやすく、華やかさもある。 |
胡蝶蘭(白) | 格式の高い花。法人や団体からの供花によく選ばれる。 |
カスミソウ・グラジオラスなど | 他の花と組み合わせてバランスを取る脇役花。 |
避けたほうがよい花・色
- 赤い花(情熱・お祝いを連想)
- 濃い紫・黒系の花(重くなりすぎる印象)
- トゲのある花(バラなど)
- 毒のある花(彼岸花など)
※ただし、近年は「赤い花も入れて明るく送る」というケースも増加中。
地域性や家族の意向を尊重することが大切です。
供花を贈るタイミング
シーン | 贈るタイミング | 備考 |
---|---|---|
葬儀・告別式 | 通夜前または当日の午前中 | 式場へ直接手配(花屋・葬儀社経由) |
法要(四十九日・一周忌など) | 前日または当日の午前中 | 会場や自宅へ配送・持参どちらも可 |
命日・お盆・お彼岸 | 前日までに手配 | 仏壇用の仏花を対で供える |
※供花を送る場合は、遺族や喪主に事前に確認しておくのがマナーです。
供花の相場
種類 | 金額の目安 |
---|---|
葬儀用スタンド花(1基) | 1万円〜2万円 |
法要用籠花 | 5千円〜1万円 |
仏壇用仏花 | 2千円〜5千円 |
胡蝶蘭・法人供花 | 2万円〜5万円 |
【ポイント】
2基(左右1対)で贈る場合は「連名」にするのが一般的です。
供花の名札(立札)の書き方
供花には必ず「名札(立札)」を付けます。
形式は地域や葬儀社によって異なりますが、基本は以下の通りです。
表示位置 | 記載内容 | 補足説明 |
---|---|---|
上段 | 供花の種類:「御供」「供花」など | 弔意を表す言葉を記載。地域により「御霊前」「志」などを使うことも。 |
中央 | 贈り主の氏名または会社名 | 個人なら氏名、法人なら会社名を明記。連名の場合は並列表記。 |
下段 | 必要に応じて役職・肩書き | 代表取締役・部長などを加えることで、正式な贈り主を明確に。 |
【例】
御供
株式会社〇〇〇〇
代表取締役 山田太郎
法要にふさわしい花選び
法要では、華やかすぎず清楚で明るい花を選びます。
法要の種類 | 花の特徴 |
---|---|
四十九日法要 | 白・淡いピンク・薄紫など、優しい色味の花 |
一周忌・三回忌 | 白を基調に、少し色花を加える |
七回忌以降 | 明るめの仏花も可。季節感を重視 |
お盆・お彼岸 | 菊・リンドウ・ケイトウなど季節の花を使用 |
宗派別の供花の違い
宗派 | 特徴 |
---|---|
浄土真宗 | 「枯れない花=造花」は避ける傾向。生花を使用。 |
曹洞宗・臨済宗 | 白・黄・紫など落ち着いた色調でまとめる。 |
日蓮宗 | 白・黄を中心に清浄感を重視。 |
真言宗 | 赤やピンクも許容される場合あり。華やかな供花も可。 |
供花の正しい飾り方(法要・仏壇)
供える場所 | ポイント |
---|---|
仏壇 | 左右対称に花立を配置。生花を対(つい)で用意。 |
法要会場 | 祭壇両脇または故人写真の左右に飾る。 |
お墓参り | 一輪挿しよりも対花が好ましい。水替えを忘れずに。 |
自宅で供花を供えるときの注意点
- 花瓶の水は毎日取り替える
- 傷んだ花は早めに下げる
- 火の近く(ろうそく・線香)には置かない
- 季節に合った花を選ぶと長持ちする
【例】
春:スイートピー・キンセンカ
夏:ユリ・トルコキキョウ
秋:リンドウ・コスモス
冬:ストック・カーネーション
供花を贈る際のマナーまとめ
- 遺族の意向を確認する
- 宗派・地域の風習に合わせる
- 白・淡色を基調にした落ち着いた色合いを選ぶ
- トゲのある花や香りの強すぎる花は避ける
- 名札・立札の書き方を間違えない
まとめ|供花は“心で贈る祈りの花”

供花は、故人を偲ぶ「目に見える弔意」です。
どんな花を贈るかよりも、「故人と遺族への想い」を込めて選ぶことが何より大切です。
- 葬儀では白を基調に落ち着いた花を
- 法要では季節感と穏やかさを意識
- 宗派や地域の風習を尊重して手配
形式よりも心を優先し、故人と向き合う静かな時間を大切にしましょう。