家族葬・一般葬・直葬の違いとメリット・デメリット|選び方のポイントも解説
[掲載日]2025/10/02 17 -

近年、日本の葬儀は「小規模化」「多様化」が進んでいます。かつて主流だった「一般葬」に加え、「家族葬」や「直葬(火葬式)」を選ぶ人が急増しています。
しかし「どの形式が自分の家族に合うのか?」「違いは何なのか?」と迷う方は少なくありません。葬儀は一度きりの大切な儀式だからこそ、形式を正しく理解して選ぶことが重要です。
この記事では、家族葬・一般葬・直葬の特徴や流れを整理し、メリット・デメリットを比較したうえで、選び方のポイントを解説します。
葬儀の形式は大きく分けて3種類

一般葬とは
「一般葬」は、もっとも伝統的で一般的な形式です。遺族・親族に加え、故人の友人や知人、会社関係者など幅広い人が参列します。
- 参列者数:数十人〜数百人規模
- 流れ:通夜 → 告別式 → 火葬 → 精進落とし
- 費用:100万〜200万円程度が相場
社会的立場のある方や交友関係の広い方には今も一般葬が選ばれることが多いです。
家族葬とは
「家族葬」は、参列者を親族や親しい友人に限定して行う小規模な葬儀です。
- 参列者数:10〜30人程度
- 流れ:一般葬と同じく通夜・告別式を行うが小規模
- 費用:50万〜120万円程度が相場
「静かに見送りたい」「費用を抑えたい」という希望から、現在最も増えている形式です。
直葬(火葬式)とは
「直葬」とは、通夜や告別式を行わず、火葬のみで見送る形式です。
- 参列者数:ごく少数(数名〜10名程度)
- 流れ:安置 → 火葬 → 拾骨
- 費用:20万〜50万円程度が相場
「費用を抑えたい」「宗教儀式を望まない」という場合に選ばれています。
家族葬・一般葬・直葬の違いを比較
下記の表にまとめると、それぞれの違いが分かりやすくなります。
項目 | 一般葬 | 家族葬 | 直葬(火葬式) |
---|---|---|---|
参列者数 | 数十〜数百人 | 10〜30人前後 | 数名〜10人程度 |
費用相場 | 100万〜200万円 | 50万〜120万円 | 20万〜50万円 |
儀式の流れ | 通夜・告別式・火葬・精進落とし | 通夜・告別式・火葬 | 火葬のみ |
香典収入 | 多い(収入で費用を賄える場合あり) | 少ない | ほぼなし |
遺族の負担 | 大きい(参列者対応多数) | 中程度 | 小さい |
特徴 | 社会的儀礼として重視される | 親しい人のみで静かに | 最小限のシンプル葬 |
各形式のメリット・デメリット

一般葬のメリット
- 幅広い関係者に感謝を伝えられる
- 社会的儀礼をしっかり果たせる
- 香典収入で費用を補える可能性
一般葬のデメリット
- 遺族の負担が大きい(挨拶・対応が多い)
- 費用が高額になりやすい
- 大人数のため形式的になりやすい
家族葬のメリット
- 親しい人だけで落ち着いた雰囲気
- 遺族の負担を軽減できる
- 費用を抑えられる
家族葬のデメリット
- 訃報を伝えなかった人から不満が出る場合がある
- 香典収入が少なく、費用は遺族持ちになることが多い
- 「なぜ呼ばれなかったのか」とトラブルの原因になることも
直葬のメリット
- 費用が最も安い
- 準備や手続きがシンプルで負担が少ない
- 宗教儀式に縛られず自由な見送りができる
直葬のデメリット
- 式がないため「お別れの場がない」と後悔するケースあり
- 香典収入がなく、費用は全額遺族が負担
- 参列できなかった人から「お別れしたかった」と言われることがある
どの形式を選ぶべき?判断のポイント
葬儀形式を選ぶときは、次の観点で考えると後悔が少なくなります。
故人の希望を尊重する
- 「自分の葬儀は質素でいい」と言っていたか
- 宗教・宗派へのこだわりはあったか
遺族の負担や費用を考える
- 遺族に高齢者や体調の優れない人が多い場合は家族葬・直葬が現実的
- 費用負担が大きすぎると後の生活に影響する
参列者の範囲や社会的立場を考慮する
- 社会的地位がある人、会社関係が多い人は一般葬が無難
- 親しい人だけで良いなら家族葬や直葬も選択肢
トラブルを避けるために注意したいこと

親戚からの不満
家族葬や直葬を選ぶと「なぜ知らせてくれなかったのか」と親戚に不満を持たれるケースがあります。事前に説明して理解を得ることが大切です。
会社関係者への配慮不足
一般葬を避けて小規模にすると、会社関係者に「礼を欠いた」と思われる可能性があります。最低限、訃報連絡はしておくと安心です。
費用を抑えすぎて後悔する
直葬を選んだ場合、後から「やはり式をしてあげればよかった」と後悔する声もあります。費用と気持ちのバランスを取ることが重要です。
まとめ|最適な葬儀形式を選ぶために
葬儀には「一般葬」「家族葬」「直葬」の3つの形式があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、どれが最適かは故人や遺族の状況によって異なります。
- しっかり社会的儀礼を果たしたい → 一般葬
- 親しい人だけで落ち着いた葬儀にしたい → 家族葬
- 費用や負担を最小限にしたい → 直葬
大切なのは「故人の意思」と「遺族の気持ち」を両方尊重することです。形式に正解はありません。あなたと家族にとって一番納得できる形を選ぶことが、後悔のないお別れにつながります。