遅れて参列する場合のマナー|途中参加・後日弔問の方法
[掲載日]2025/10/07 12 -

突然の訃報を受けても、仕事や家庭の事情ですぐに駆けつけられないことは誰にでもあります。
葬儀や通夜の時間に間に合わない、あるいは葬儀が終わってから知った――そんなとき、どのように弔意を示せば良いのでしょうか。
この記事では、「途中から参列する場合」「後日弔問する場合」「参列できない場合」の3つの状況に分けて、正しいマナーや対応方法を解説します。
遅れて参列することは失礼になる?

結論から言えば、「やむを得ない事情であれば失礼にはあたらない」とされています。
ただし、遅れてしまう場合には「静かに・控えめに・心を込めて」が鉄則です。
弔事では形式よりも誠意が重視されます。
無理に時間を合わせようと慌てるよりも、状況に応じて最善の方法で弔意を伝えましょう。
【ケース1】通夜・葬儀に途中から参列する場合
通夜に遅れて到着する場合
通夜は「途中参列」が比較的許される儀式です。
- 式の途中でも焼香前に静かに入場してOK
- 読経中は入室せず、終わるまで入口付近で待つ
- 遅れた理由を受付で長々と説明しない
- 香典は受付で簡潔に渡す(「遅くなり申し訳ありません」と一言添える)
【ポイント】
通夜は「故人と最後の夜を過ごす場」であり、時間の制約が緩やかです。焼香だけでも失礼にはなりません。
告別式に遅れてしまう場合
告別式は正式な儀式のため、原則として途中入場は避けるのがマナーです。
- 開式後の入場は避け、式が一区切りしたタイミング(読経後など)で係員の指示に従う
- 焼香の時間に間に合えば参列可能
- 大幅に遅れる場合は無理に会場に入らず、式後に喪主へお悔やみを伝える
【注意】
告別式中に遅れて入場すると、儀式の進行を妨げてしまう場合があります。
【ケース2】葬儀後に弔問する場合(後日訪問)
葬儀が終わったあとに訃報を知った、あるいはどうしても参列できなかった場合は、「後日弔問」という形で弔意を伝えます。
後日弔問の時期
- 一般的には 葬儀の3日〜1週間後 が目安
- 四十九日法要が終わるまでに訪問できれば問題なし
訪問時の基本マナー
- 事前に電話で訪問の可否と日時を確認する
- 喪家の都合を最優先に
- 黒・紺・グレーなど控えめな服装で訪問
- 玄関先で済ませるのが基本(長居しない)
手土産・香典の渡し方
- 香典を持参して渡す(新札は避ける)
- 「御霊前」または「御香典」と書いた香典袋を使用
- 供物や菓子折りを添えるのも丁寧
【例文】
「ご葬儀に参列できず申し訳ございませんでした。心よりお悔やみ申し上げます。」
【ケース3】どうしても訪問できない場合
距離や体調の都合で訪問が難しい場合は、弔電・香典郵送 で弔意を伝えます。
弔電を送る場合
- 葬儀当日または前日までに届くように手配
- 文面は「ご冥福をお祈り申し上げます」「お力を落とされませんように」などが一般的
- 遅れた場合でも「後日弔電」として送ることは可能
香典を郵送する場合
- 現金書留封筒を使用
- 同封する手紙に簡潔にお悔やみの言葉を添える
【手紙の例】
このたびはご母堂様のご逝去に際し、心よりお悔やみ申し上げます。
ご葬儀に伺えず申し訳ございませんが、ささやかではございますが香典をお送りいたします。
【ケース4】家族葬や密葬の場合
最近では家族葬・直葬が増えており、「参列を辞退します」という連絡を受けることもあります。
この場合は無理に訪問せず、葬儀後に手紙や香典を郵送して弔意を伝えるのが最も穏やかです。
- 「ご遺族のご意向を尊重し、失礼ながら郵送にてお悔やみ申し上げます」などの一文を添える
- 花や供物を贈る場合は、喪家の了承を得てから
参列が遅れた場合の服装と持ち物

- 喪服または準喪服(黒・濃紺・グレーなど)
- 光沢のない黒靴・黒バッグ
- 香典・袱紗・数珠は忘れずに
- 途中参列時は音の出るアクセサリーや香水を避ける
服装が間に合わない場合は、黒や紺の落ち着いたスーツ・ワンピースで問題ありません。
遅れて参列した際の一言マナー
状況 | 一言例 |
---|---|
通夜に遅れた | 「遅くなり申し訳ありません。お悔やみ申し上げます。」 |
告別式に遅れた | 「お時間に間に合わず失礼いたしました。」 |
後日弔問時 | 「ご葬儀に伺えず申し訳ありませんでした。心よりお悔やみ申し上げます。」 |
長い説明は不要です。短く丁寧な言葉が最も誠実です。
まとめ|遅れても「誠意ある対応」が何より大切
葬儀の場では「時間」よりも「気持ち」が重視されます。
やむを得ず遅れてしまっても、
- 焦らず静かに行動する
- 遺族への気遣いを忘れない
- 言葉を選び、短く丁寧に伝える
この3つを守れば、遅れての参列でも十分に礼を尽くすことができます。
どんな形であれ、「故人を想い、遺族を気遣う」ことが最も大切なマナーです。