火葬式(直葬)の費用相場と選ばれる理由|葬儀をシンプルにしたい方へ
[掲載日]2025/10/03 16 -

近年、「直葬(火葬式)」という葬儀形式を選ぶ方が急増しています。直葬とは、通夜や告別式を省き、火葬のみを行うシンプルなスタイルの葬儀です。費用を大幅に抑えられる一方で、「本当に失礼にならないのか?」「後悔しないか?」と不安を抱く方も多いでしょう。
この記事では、直葬の流れや費用相場、メリット・デメリット、選ばれる背景をわかりやすく解説します。
直葬(火葬式)とは?

直葬とは、宗教儀式を省き、火葬だけを行う葬儀のことです。お通夜や告別式を行わないため、もっともシンプルで費用負担の少ない形式といえます。
一般葬・家族葬との違い
- 一般葬:通夜・告別式を行い、参列者は数十〜数百名
- 家族葬:通夜・告別式を小規模で行い、参列者は10〜30名程度
- 直葬:通夜・告別式を行わず、遺族・親族数名で火葬のみ
直葬が選ばれる背景
直葬の増加にはいくつかの社会的背景があります。
- 少子高齢化:参列者が集まりにくくなった
- 経済的理由:高額な葬儀費用を負担できない家庭が増えた
- 宗教観の変化:宗教儀式にこだわらず自由に見送りたいという価値観
直葬の一般的な流れ
直葬といっても「ただ火葬するだけ」ではなく、一定の流れがあります。
- 臨終〜搬送・安置
葬儀社に連絡し、故人を自宅や安置室へ搬送。 - 納棺・火葬許可申請
遺体を棺に納め、市区町村で火葬許可証を取得。 - 火葬・収骨
火葬場で荼毘に付し、遺族が骨壺に遺骨を納める。 - 後日の法要やお別れ会
希望があれば後日、四十九日法要やお別れ会を行うケースも多い。
直葬の費用相場と内訳
一般葬が100〜200万円かかるのに対し、直葬は20〜50万円程度で行えるのが特徴です。
全国平均の費用目安
- 搬送・安置料:5〜10万円
- 棺・骨壺代:5〜10万円
- 火葬料:市区町村によって5,000〜7万円程度
- 葬儀社への手数料・運営費:5〜15万円
オプション費用
- 遺影写真:1〜3万円
- 供花:1〜2万円
- 返礼品:人数に応じて数万円
- 宗教者へのお布施(読経を依頼する場合):3〜10万円
費用内訳の比較表
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
搬送・安置 | 5〜10万円 | 深夜・長距離だと割増 |
棺・骨壺 | 5〜10万円 | プラン料金に含まれる場合あり |
火葬料 | 0.5〜7万円 | 自治体によって異なる |
手数料・運営費 | 5〜15万円 | 葬儀社により差あり |
遺影写真 | 1〜3万円 | 任意 |
宗教者へのお布施 | 3〜10万円 | 依頼する場合のみ |
直葬のメリット
費用を大幅に抑えられる
一般葬の4分の1以下の費用で済むのが最大のメリットです。
準備や手続きの負担が少ない
通夜や告別式の準備が不要なため、遺族の精神的・肉体的負担を軽減できます。
宗教に縛られず自由にできる
無宗教や信仰にとらわれない人にとって、形式に縛られない直葬は合理的な選択肢となります。
直葬のデメリット
お別れの時間が短い
通夜や告別式がないため、故人と過ごす時間が非常に短くなります。
親族や知人から不満が出る可能性
「最後に会いたかったのに」と不満を持たれる場合があります。
香典収入がなく費用は自己負担
参列者が少ないため香典収入は見込めず、費用は遺族が全額負担します。
直葬を選ぶときの注意点
親族へ理解を得ておく
後からトラブルにならないよう、事前に「直葬を希望する」旨を伝えておくことが重要です。
後日「お別れ会」を検討する
式はしなくても、後日「お別れ会」や「法要」を行えば参列希望者に配慮できます。
宗教者の対応を部分的に取り入れる
直葬でも僧侶に読経してもらう「火葬式プラン」を利用すれば、宗教的な要素を最小限取り入れることも可能です。
まとめ|直葬は「経済的・合理的」な選択肢

直葬は、費用を抑えつつシンプルに故人を見送れる合理的な葬儀形式です。一方で「お別れの時間が少ない」「親族から不満が出やすい」といったデメリットもあります。
大切なのは、費用や手間だけでなく、故人の意思と遺族の気持ちをどう両立させるか です。後悔しないためには、家族で事前に話し合い、必要であれば後日法要やお別れ会を設けると良いでしょう。