通夜と告別式の違いとは?参列マナーと流れを解説
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[掲載日]2025/10/02 16 -
[掲載日]2025/10/02 16 -

葬儀に参列する際、「通夜と告別式の違いがよく分からない」と感じる方は多いのではないでしょうか。
どちらも葬儀に欠かせない大切な儀式ですが、その目的や意味、参列する人の立ち位置には違いがあります。
「通夜だけ出ればいいのか?」
「告別式に出席できない場合は失礼になるのか?」
そんな疑問に答えるために、本記事では通夜と告別式の違いを整理し、それぞれの流れや参列マナーを詳しく解説します。
通夜と告別式の基本的な違い

通夜とは?目的と意味
通夜とは、故人が亡くなった日の夜に行われる儀式で、故人と最後の夜を共に過ごすという意味があります。
本来は遺族や親族が夜を徹して故人を守る行為でしたが、現代では1〜2時間の儀式として行われるのが一般的です。
【通夜の目的】
- 故人と過ごす最後の夜
- 遺族・親族が集まる場
- 親しい人々が弔問に訪れる場
告別式とは?目的と意味
告別式は、参列者が故人に最後の別れを告げる儀式です。宗教儀礼としての「葬儀式」に続いて行われ、参列者全員が故人とお別れをする意味合いを持ちます。
【告別式の目的】
- 故人に正式に別れを告げる場
- 遺族が参列者へ感謝を伝える場
- 出棺・火葬へとつながる大切な儀式
通夜と告別式の違いを一覧で比較
項目 | 通夜 | 告別式 |
---|---|---|
開催時間 | 夕方〜夜 | 午前〜昼過ぎ |
主な参列者 | 親族・親しい友人・近隣の方 | 親族・知人・会社関係者など幅広い |
目的 | 故人と最後の夜を共に過ごす | 故人に正式なお別れをする |
流れ | 読経 → 焼香 → 通夜振る舞い | 読経 → 弔辞・弔電 → 焼香 → 出棺 |
雰囲気 | 比較的穏やか・私的 | 公的で厳粛 |
香典 | 通夜で渡すのが一般的 | 通夜欠席の場合は告別式で渡す |
通夜の流れと参列マナー

通夜の一般的な流れ
- 受付(香典を渡す)
- 焼香(宗派によって作法が異なる)
- 読経・法要
- 遺族による挨拶
- 通夜振る舞い(食事)
※近年は「半通夜(短時間で切り上げる形式)」が主流です。
服装マナー(男性・女性・子ども)
- 男性:ブラックスーツ、白シャツ、黒ネクタイ、黒靴
- 女性:黒ワンピースまたはアンサンブル、黒パンプス、光沢のないバッグ
- 子ども:中高生は制服、小学生以下は黒や紺のフォーマルな服
【注意】
通夜の場合は「準喪服(略式の喪服)」でも失礼になりません。
通夜での挨拶・お悔やみの言葉例
- 「このたびはご愁傷さまでございます」
- 「突然のことでお力落としのことと存じます」
※「重ね重ね」「再び」など不幸を連想させる言葉は避ける
香典の渡し方と金額相場
- 香典は受付で袱紗から出して両手で渡す
- 金額は故人との関係性によって変わる(親族1〜5万円、友人・同僚5千〜1万円)
告別式の流れと参列マナー
告別式の一般的な流れ
- 開式の辞
- 僧侶の読経
- 弔辞・弔電の紹介
- 焼香
- 喪主の挨拶
- 出棺
【ポイント】
告別式では「公的な別れ」の意味が強いため、参列者はできる限り整然とした態度で臨むことが求められます。
服装マナーと持ち物
告別式では正式な喪服(正喪服)が望ましいとされます。
- 男性:モーニングまたはブラックスーツ
- 女性:黒のフォーマルドレス、黒ストッキング
- 持ち物:数珠、ハンカチ、香典
告別式での挨拶の仕方
- 焼香後に遺族へ一礼し、軽く言葉をかける
例:「ご愁傷さまです」「お力落としのことと存じます」
弔電・供花を送る場合のマナー
- 弔電は告別式前日までに届くように手配する
- 供花は「○○一同」など連名にすることも可能
通夜と告別式、どちらに参列すべき?

地域や慣習による違い
- 都市部:通夜に参列するのが一般的
- 地方:告別式に参列することが多い
仕事や距離の都合で選ぶ場合
- 平日昼に時間を取れない → 通夜に参列
- 遺族に正式に挨拶したい → 告別式に参列
両方参列できない場合の対応
- どちらかに参列できればマナー違反ではない
- 参列できない場合は弔電や香典を郵送して気持ちを伝える
通夜・告別式共通の注意点
香典の準備と包み方
- 香典袋は宗派に応じて選ぶ(仏式=蓮の絵入り、神式=白無地)
- 新札は避け、折り目のあるお札を使うのが基本
焼香・献花の基本作法
- 焼香は宗派によって回数が異なる
- 献花は花を両手で受け取り、茎を祭壇側に向けて供える
遅刻・途中参列する場合のマナー
- 通夜:途中参列は可能、焼香のみでも失礼にならない
- 告別式:開始時間に遅れるのは避けるべき
まとめ|通夜と告別式の違いを理解して正しい参列を

通夜と告別式は、いずれも故人を偲ぶ大切な儀式ですが、その意味や雰囲気は異なります。
- 通夜は「故人と最後の夜を過ごす」場
- 告別式は「公的に故人と別れを告げる」場
参列マナーを理解しておけば、突然の訃報でも落ち着いて行動できます。
大切なのは、故人を想う気持ちと、遺族への心遣いです。形式にとらわれすぎず、誠意を持って参列することが何よりの礼儀となるでしょう。